ずんこぶろぐ

『持続可能なプロデューサー活動で、アイドルマスターを通じて人生を豊かにする』をテーマに色々書いてます。 twitter: http://twitter.com/ohtsuki_zunko

公演中に観客が喋る行為はどこまで許容されるのか? ※独自見解

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先日、マシュマロにこういうお便りをいただきました。

ここ2ヶ月でミリとエム両方の現地に行って改めて思ったのですが、ミリのPというか男性Pってなんであんなに曲終わりに喋っちゃうんですかね。感想とか感嘆とか含めて会場出るまで我慢するのが今のルールだと思ってたから割とびっくりしました。両日参加だったんだけど周りの男性Pが複数人ずーーっと喋ってて自分の方が申し訳なさすら感じた。なんならMCトーク中も喋ってた。自分が特例引いちゃっただけですかね??
エムも始まる前はうるさかったけど公演中にベラベラ喋ってる人たちは自分の近くにはいなかったです……

ずんこさんはライブ中の会話についてどう思いますか?自分が気にしすぎなだけなのか、ずんこさんの意見を聞かせてもらえたら嬉しいです。

marshmallow-qa.com

お便りありがとうございます。

いい機会なので今回これについて考えてみました。これ、結構深遠な問題ですよ。

 

そもそもマシュマロをやる理由

AMラジオのお便りコーナー感あって超嬉しい

普段マシュマロはいただいたらそんなに時間かけずに回答してるのですが、このマシュマロのみちょっと回答にお時間いただきました。

というわけで前置きはさておき「公演中のおしゃべり問題」について考えていきましょう。

必読

なお、言うまでもないですが以下の内容はすべて筆者による独自見解です。つまり、正しいかもしれないし、間違っているかもしれないし、あるいはどっちでもないかもしれません。あなたにとっては真逆の考えかもしれません。

また、アイマスライブの今後のレギュレーション変更などで、正しいとされていたことがダメになったり、ダメだったものが正しいとされる場合がありえます。

少なくとも、ここに書かれた内容を根拠に他人に殴りかかる行為はやめてください。

また、内容的に際どい話題を取り扱っています。以下に記載された内容は、運営側の提示したレギュを逸脱する行為を推奨するものではありません。

大前提:そんなヤツはどこにも必ずいる

そもそもの話からいきましょう。このお便りをくれた方は、ここ2ヶ月のミリ(ミリ8th)とSideM(たぶんプロミ)のライブに行き、「ミリオンのオタク、特に男性Pはなぜ公演中喋るのか」と感じたようです。

ええ、わかります。なんか別界隈行くと本来いた所とのギャップって感じますよね。そして、それが聴覚や視覚に関わるものだと気になって仕方がない。

私SideMの現場は行ったこと無いので、SideMについてはどうかは知らないんですけども、少なくとも確実に言えることが1つあります。

残念ながら、それはミリオンライブに限りません。自分の知ってる限りでは、性別問わず現場問わず、どの現場にもそういうヤツは必ず出てきます。そしてそういう話はライブの度必ず見かけます。実際は、皆が毎回飽きもせず口論をしているUOグルグルの話題でかき消されてしまいますが。

少なくとも、どのアイマスライブでも毎回必ず1回は語られているはずです。アイマスに限らず、某男性アイドルのライブでMCどころか曲中でも喋ってるやつがいたとかは聞きますし、もっと違うところで言えば、映画館でもよく出てきますね。

さて、公演中に隣の連番者とおしゃべりする行為の是非について、そしてそもそもなぜ『厄介』とされる存在が生まれるのでしょうか。以下はすべて私の独自見解です。

※一旦、コロナ禍であるという環境は置いといて、コロナ関連のレギュが無い状態で考えます。

自分の見解「曲中は歓声とコール以外喋んな。それ以外は周りに邪魔にならない程度に喋っていい」

結論だけ先に書きました。自分の見解は上記のとおりです。

ただしこれは常識的な範囲での話です。言うまでもないですけど大声で喋るとか、暴言、ネガティブな発言は厳に慎むべきです。当たり前ですけど。そしてこれはアイマスライブに限った見解です。他のイベントについては通用しません。

自分は曲終わった後に連番者に「すごかった……!!!!!」「やっっべえーーーー!!」って感じの感想を喋る行為ぐらいは許容したらいいんじゃないかなって思います。

曲中に出るのはコール、歓声ぐらいでしょう。

感想とか感嘆とか含めて会場出るまで我慢するのが今のルールだと思ってたから割とびっくりしました。

一方、これを全員に求めるのは自分としては正直酷だと思います。

ただし、話しかけて良いのは連番者ぐらいであるべきです。そして周りの迷惑にならない程度の声量で。

それ以外の方に話しかけたくなったら慎重になるべきです。でも、感極まってボロボロに泣いてる人に「良かったね!!!」って話しかけるのぐらいはいいんじゃないかな、と思います。自分は担当アイドルの曲で感極まってる時にその感情に共鳴して話しかけてくれたら嬉しくなりますね。

ただし、それが許容できない人もいるわけです。以下にその理由を書いてみます。

なぜ『厄介』が発生するのか

レギュ違反イコールすべて厄介と分類するのは難しい

以下は全て、自分の独自見解です。同意できる人も全くそうじゃない人もいることは理解した上で記述します。同意できねえな~、って人は文句言う前にこのセクションを飛ばしてください。

※以下の内容は、いわゆる『レギュ違反』を推奨するものではありません

※以下は個人的な見解です。私は基本的にライブにおける各種規制は遵守しているつもりです

皆様、『厄介』*1を定義するとしたらどう定義するでしょうか?

単純に考えれば、公式の規定した『レギュレーション』に違反する人間を厄介と定義することができます。

一見もっともらしいですが、それを機械のように当てはめるわけにもいかないのがライブではないかなと自分は考えています。

以下は、ミリ8thの注意事項から一部抜粋したものです。

・飛沫防止の為、公演中の声援はお控えくださいますようお願いいたします。
・ペンライト及びサイリウムを振っての応援は可能です。
ただし、後方のお客様のご迷惑になりますので、両手を左右に激しく振る、腕を振り回す、上半身を反らすなどの過激な応援行為、ジャンプ行為は一切禁止とさせていただきます。
・会場内へのうちわやボードの持ち込みは可能です。ただし、胸の高さから上にあげるなど、後方のお客様のご迷惑となるよう場合は、使用をご遠慮いただく場合がございます。係員の指示には従ってくださいますようお願いいたします。

はい、全くもって当たり前のレギュですね。みなさんもアイマスライブに行く際は守っていると思います。

でも、実際これを『1秒の隙も無く、忠実完璧に守っている人』は実は多くはないのではないでしょうか?そして、これを『1秒の隙も無く、忠実完璧に守る』ことはかなり難しいと思います。

ちょっと声が出ちゃったり、ペンライトがちょっと上がっちゃうことは起こり得る

例えば、今はいくらコロナとはいえセトリで「まさか」なものをぶつけられたりした時、「うわっ……!」って声が出ちゃったりしますよね。あとは、『ビッグバンズバリボー!!』とか、『Raise the FLAG』みたいなアツい曲だったらペンライトを持つ腕はもう胸より高く、というか天を衝くぐらいの勢いでブチ上げますし、そうじゃなくとも『Precious Grain』のサビでは青いペンライトを思いっきり上に突き上げると思います。

上記の文章は誰が見ても明らかな、ウケ狙いの故意としか思えないような厄介行為を擁護するものではないことは念の為書いておきます。特に、現在のこのコロナ禍で声出しが禁止されている中「イエッタイガー!!!」と叫ぶヤツは、迷惑以前に公衆衛生上危険です。運営側が明示的に声出しを禁止しており、社会情勢を考えれば「高まっちゃった」の限度を超え、シーンを衰退させる行為であることは明らかです。論ずるまでもなく一発出禁でもおかしくないでしょう。

ですが、例えば驚きで思わず「アッッ……」と声が出ちゃったり、ちょっと跳ねちゃったり、腕を突き上げちゃったりなんてことは起こってしまうのがライブなんじゃないかな?それがあってこそのライブなんじゃないかな?と自分は考えています。

京セラドーム大阪のような、立地上の理由で『厳禁』レベルで念入りにかなり厳しくジャンプが制限されている場合はより念入りな注意喚起が為され、その理由も理解しているので自制が働きはしますが、そうでない場合は「ブチ上がりすぎてちょっと跳ねちゃった」ぐらいは少しぐらい起こっても仕方ないんじゃないか?と考えています。

なので、このレギュレーションは忠実に守るべきではありますが、完璧に守ることは不可能だろうと私は考えています。完璧に守れない人=すべて厄介と定義するにはちょっと難しいのではないでしょうか。

……以上は、当然ながら私の見解です。

これに対して同意できる人もいれば、全くそんなことはない人もいることはわかっています。でも私の厄介の定義自体はどうでもいいんです。私が言いたいのはこの差異が問題になってるんじゃないだろうか、ということです。

観客の感じる『厄介』=『自身の理想と異なる存在』

『厄介』とは何か。当然それは公式が規定したレギュレーションを守れない人、あるいはわざと守らない人です。ただしこれは公式目線の話です。それを決めるのは運営側のスタッフであり、観客である我々がSNSでチクるときの定義ではありません。

観客が「こいつ厄介だな」と思う定義は、私はこう考えています。

『自分の考える理想的な観客像と相容れない、許容範囲を超えた存在』が厄介として分類されるのではないか?と考えています。

レギュレーションを絶対視し、絶対にジャンプをしない、UOやペンラを高く掲げない人こそが理想的な観客像であると考える人は、そうでない存在を疎ましく思います。

一方、それをある程度許容できる人は特にそういう存在に対して感じることはあまりありません。

アイマスライブの度に話題になるUOグルグルについても、例えば遠くで発生したUOグルグルについては「あ、あそこ高まってるな~!」となる賑やかしですが、自分の目の前で視界を遮るようにやられたら射殺ものでしょう。自分はUOグルグルについて不快に感じたことはないですが、目の前でやられたら違う感想を持つかもしれません。

仮に、UOグルグルを視野を遮らないよう胸より下で行ったとしても、それが気にならない人もいれば、光で気が散って仕方ない人もいるわけです。

そういうわけで、観客が1万人いれば1万通りと運営、つまり1万1通りの厄介の定義がああるわけです。これがこの話題を面倒にしており、ライブの度に話題になる原因です。

アイマスライブという気難しい存在

ライブは『祭り』か『コンサート』か

加えて、この問題は『アイマスライブ』という曖昧な存在によって複雑化しています。

アイマスライブのレギュは厳しいことは言うまでもないでしょう。一般的な音楽ライブで容認されていることができない場合があるわけですから。

ですが、比較的厳しいレギュの中とはいえ、前述の通り観客によっては目の前が少しぐらい遮られても許容できる人がいれば、全く許容できない人もいるわけです。

アイマスライブは『ライブ』と銘打ってはいますが、『クラシックコンサート』のような性質も持ち合わせています。

さらに言えば、『担当アイドル』という神聖な存在を最も上位に持ってきて、その存在を有難がり、信仰を深めるというまるで宗教行事のような側面を持ち合わせています。

『楽しく騒ぐ祭り』と『厳粛なコンサート』両方の性質を持つわけです。

祭りであれば、多少の想定外の事象はおおらかに捉えられますが、後者では厳しいでしょう。

観客も、『数あるライブイベントの1つ』と捉える人もいれば、『何よりも大事な、厳粛に行う式典』と捉えてイベントに臨む人もいる。そしてだいたいいざこざはこの間で発生しているように見えます。

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いくら『まつり』でもこれは死刑なのですよ

MCタイムは『休憩時間』か『神聖な説法の時間』か

アイマスライブを『数あるイベントの1つ』と捉える人も、『厳粛な式典』と捉える人もいるという話は先程書いたとおりです。ちなみにこれはどちらも正解だと思います。各々の価値観の問題ですし、身も蓋もないことを言えば結局外野からは『どうでもいいただのオタクイベント』にすぎません。

前述の通り捉え方が違えば、それはMCタイムにも出てきます。

MCタイムを『曲の合間の休憩時間』と取るか『声優による神聖な説法の時間』と取るか……この違いです。当然これはどちらも正解だと思います。

前者は、多分さっきまでの曲の感想を連番者と語り合ったりするでしょうし、トイレに行ったりもするでしょう。一方後者は多分それを許容できないと思います。演者の話を真剣に聞かないといけないので。

恐らく、マシュマロを投げてくれた方は多分後者だと思います。演者のMCも公演の重要な要素なので、MC中も観客は黙っているべきであると。たしかにわかります。

ちなみにこれは私はどちらでも良いと思います。どっちかって言うと前者側かなと。トイレ行くと『ライブ空間』から離れて夢から醒めてしまう気がしてしまうので極力行かないようにはしているのですが、曲終わった瞬間ボロボロになりながら連番者に「やべえ……やべえ………」って話してることが多いと思います。

感想で殴る相手が欲しいので連番者が欲しい

私は、ライブの時ほぼ必ず連番者を探します。1人のほうがチケット取れる率が高いことは理解していますが、それでも1人で参加することはほとんど無いです。理由は簡単です。『その場で』感想で殴る相手が欲しいからです。

その瞬間、起こったことの良さはアツアツのまま共有したい

自分が連番にこだわる理由。それは、

『その場で発生したこと』を『その場』で『隣の人間』に、『今すぐ』ぶつけたいからです。

起こったことは後でSNSに書けばいいのは確かにその通りです。

が、起こったことはその場でやはり「すげえ!!!!」という一言に詰めてぶつけたいものです。

起こったことの半分は会場出る頃には忘れます。だからアツアツのまま隣の連番者にぶつけないといけません。それをぶつけるために私は毎回連番者を探しています。

幸いにして、私とよく連番を組む友人たちは思想が近いので助かってます。毎回「すごい」「ヤバい」「推せる」「ギャー」「俺もアイマスアイドルになりたい人生だった」「なんで自分女性声優じゃないんだろう」しか言わない上に感情豊かに泣いててごめんなさい。一応周りの人には配慮しているつもりです。

つまり、ライブには色んな思想の人間がいる

あなたの常識は他人の非常識、あなたの感じた非常識は他人の常識かも

長々と失礼しました。つまり私が言いたいのは「1万人集まるライブには、1万通りの思想と許容ラインが存在する」ってことです。全員がその許容ラインが同じであれば問題ないんですが、残念ながらその高低差が原因でトラブルになっているんじゃないでしょうか。

そして、更にややこしいことに、そのラインの平均値はライブイベントによって違います。

『あなたの常識は他人の非常識』
『あなたの感じた非常識は界隈の常識』
『お互い様精神』
『何をするにも"常識的な範囲"で』

この辺をみんなが頭に入れていれば、多分面倒ないざこざが起こることも、そして自分自身が迷惑を他人にかけることもなく、もっと平和になるんじゃないかなあ、と思っています。

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※画像がバンドリなのは突っ込まないで

 

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*1:ドルヲタ用語で、迷惑な客のこと