なんか数日前ぐらいから「中国にて『パスワード法』なる法律が1月から施行され、中国のインターネットサービスで使用しているパスワードが中国共産党に筒抜けになる」とかいう真偽不明の情報が出回っています。
「んなわけねえだろアホか」と自分の真偽判定レーダーが反応したので、ちょっと調べてみたんですがどうやら結論から言うと限りなくガセに近いっぽいです。
(でも真に受けるような人たちはこういうのは読まないんだろうなあ)
今騒がれてる『パスワード法』とは(騒いでる人たちの主張)
中国共産党は「パスワード法」を実施、インターネット上、銀行口座、日常生活のすべてのパスワードを中国政府に管理されます、拒絶する者に100万元を罰金の民事訴訟に刑事犯罪にも及ぶ
らしいよ。
これが事実なら、もっと前から騒がれてるはず
もしこれが事実だとしたら、とっくに大問題になってるし、国際問題になってるはずです。でも誰も騒いでません。
米中貿易戦争真っ只中で、香港の問題もある中、これが事実だとしたらトランプ大統領あたりが真っ先に飛びついて騒ぐはずなのに、全くそんな様子もありません。
アリペイとか使ってる人もいるでしょうし、中国以外の人でも中国人の友人がいたり、仕事や旅行でよく中国に行く方、あるいは中国と交流したい人はWeibo(微博)とかWeChatとか使ってる人は多いと思います。自分も微博やWeChatのアカウントは持ってます。とはいっても微博しか使ってないし、そもそも中国語も勉強中でほぼ読み書きできないのでGoogle翻訳で頑張ってますけど。ちなみに中国で「草」「工口同人」「巨大感情百合」「野獣先輩」は通じるよ。中国のネットスラング限定でしょうけど。さすがアズールレーンを生んだ国は違うぜ。
調べてみても、騒いでる人のbioを見ると「普通の日本人」「アイコンが鳥居」「ジャポニズム」って感じのネット右翼っぽい人たちだけ。ニュースサイト(個人ではなくちゃんとした新聞社やテレビ局などの『メディアとしての体裁を整えた組織』を構えている所)はそういうのは騒いでません。なんかネット右翼っぽい感じの人達だけがまるでこの世の終わりのように大騒ぎしている。何度も繰り返し見てきた光景です。
そして騒いでる人たちが情報源にしているのはネット右翼系のまとめサイトとか、そんなのばっかでした。
ちなみに、唯一マトモそうな情報源がありました。
Radio Free Asiaというアメリカ政府系のメディアです。
ただ、RFA以外にまともな情報源がなかったので、眉唾ものな気がしてならないです。個人的には。
ちなみにニュースソースとして極めて真偽が怪しいことで有名なSputnik日本も、ロシア政府系のメディアなんで、言わばアメリカ版Sputnikなんじゃないすかね。
ちなみにRFAの名誉を守るために書いておきますが、RFAは中国における人権侵害を継続的に報道していることで有名です。
真相は何なのか
暗号法という、仮想通貨関連の法整備を(意図的に)ミスリードしてるっぽい
多分真相はこれです。
簡単に言うと、現時点で中国国内では仮想通貨の取引やICOは規制されていますが、国としてブロックチェーン技術とか暗号技術に関しては支援していかなきゃいけないよね、ってことで、それに対する支援を強化する法整備です。
詳しく説明すると、去年の10月頃の全人代にて「中国人民共和国密码法」なるものが採択され、それの施行が今年の1月1日からスタートしたというわけでして。これをなんかよくわかんないけど変な捉え方を(意図的なのか間違えちゃったのかわからんけど)しちゃったんじゃないかという感じに見えます。
「いや、マスコミは中国共産党の工作の手先だ、だから真相は伝えない」と思ったかたは、こちらに全文訳があるのでどうぞ。
中国でパスワード法が成立してパスワードだだ漏れみたいなツイートがされていますがデマに近くて正確にはこんな法律のようです>>【全訳掲載】中国「暗号法」=習近平政権下で成立した全44条 ~暗号を「国家機密」と「商業用」に分類 - 仮想通貨 Watch https://t.co/fyxH0OSqby @ccbc_watchより
— TenForward🖖1/11 おまごる (@ten_forward) 2020年1月1日
「明日から中国でパスワード法が施行され、中国のウェブサービスのパスワードは全て政府に筒抜けになる」とかいう情報が出回ってんだけど、そういうニュースを探してもネット右翼系の胡散臭いブログしか出てこないし、皆もしかして今年から施行された仮想通貨関連の『暗号法』と勘違いしてない?
— 🏠大槻ずんP🐯 デレ大阪現地 (@ohtsuki_zunko) 2020年1月7日
注: 仮想通貨と暗号技術を混同して書いてた
ここで重要なのは、民間企業が利用する商業化暗号そのものを国家が検閲する、といった規定はなく、アルゴリズムを含めた規格に適切に従うことを求められているのみであるということです。ゆえに、暗号法の制定がそれ即ち「中国企業によりパスワードが共産党に提供される/共産党の検閲を受ける」ということではありません。
で、これを知らぬか、あるいは知っててわざとやってんのかわかんないですが、「中国にパスワードを筒抜けにされる」と大騒ぎしている連中がいる、というわけです。
どちらにせよ、普段からセキュリティを意識するのは大事
まあ真相は知りません、判断は皆様次第です。そもそもこんな法律が出るよりも前から我々の知らないところで、既に中国やアメリカ、イスラエル、もしくは北朝鮮、あるいは我が国の政府とかなんかそういうのによって我々の個人情報やパスワードは筒抜けになっているかもしれません。この間だってHuaweiを巡って騒ぎになったわけですし。
あるいは、もしかしたら今後の法改正や強引な法解釈で堂々と「パスワード筒抜けにします」ってなるかもしれませんが。
どちらにせよ、個人情報やセキュリティの警戒は普段からするに越したことはないですが、RTで回ってきた情報をろくに調べず気軽にRTするのはアホなんじゃないかなと俺は思いました。
少なくとも、FANZAの閲覧履歴や購入履歴はちゃんと隠しておきましょうね。
各国情報機関の皆様へ
余談ですが、俺の性癖に刺さるおすすめのAVを貼っておきます。俺の性癖を収集している情報機関関係者の皆様いかがでしょうか。
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